実態顕微鏡(マイクロスコープ)でも判断できない根管内を確実に無菌にする治療法
根管治療とは、「抜髄(初回根管治療)」「感染根管治療(再根管治療)」2種類の治療の総称です。
月間6月審査分 | 年間(H21)審査分(推計) | |
---|---|---|
抜髄 | 500,387 | 6,004,644 |
感根処 (感染根管処置) |
624,704 | 7,496,508 |
計 13,501,152件 | ||
e-Stat 政府統計の総合窓口 | ||
2010年7月15日公表 |
何故、抜髄後のやり直しの治療である感根処(=感染根管処置)という根管治療がこれほど多いのか?
根管内を無菌化して治療を終了するときに、保険治療では正確に無菌になったことを確かめる方法がありません。
多くの場合、消毒をした後、もうこれで歯の根管内は無菌になったであろうという歯科医師の経験や勘や推測で消毒を終了し、根管内に防腐剤を詰め、根の治療を終了し、心棒=土台=コアを立てて冠=クラウンを被せます。
もし、数年たってレントゲンや臨床的に症状が出なければ、根管治療が成功していたと時間が経ってから解るのです。
数か月から数年経ってから症状がでれば、根管内を無菌にしたつもりが無菌になっていなかった、つまり、根管治療が成功しなかったと後で解るのです。
そうして治療を繰り返すことでさらに治りにくくなり、歯質も薄くなり、やがて抜歯となることもあります。
根管は非常に複雑な形態をしています。実態顕微鏡(マイクロスコープなど)を用いて根管内を診ても根管口(歯の根の根管)の入り口は見えますが実際に細菌が無菌になったかどうかはわかりません。
保険で根管治療を行い、成功すれば保険で安く、簡単に治療ができて良かったということになります。しかし、もし成功しなければ、再度治療をやり直すことになります。
せっかく被せた冠=クラウンを外し、心棒=土台=コアを外すので歯が非常に傷みます。再治療になると根の症状は難治化し、治療の成功率は極端に下がります。再度、保険で根管治療を行うと治ることもありますが、条件が悪くなります。
根の中の細菌は、前回の治療での根の消毒を生き延びた強い細菌が分裂して増殖した強い細菌の集まりです。消毒薬が届かない複雑な根管形態があるかもしれません。
そこで、根管内の細菌が実際に無菌になったかどうかを調べる治療法があります。それが根管内嫌気培養法です。
保険の一般の根管治療は、根管内の細菌が消毒で無菌になったであろうという歯科医師の経験や勘や推測で治療を終了します。対して、根管内嫌気培養法は根管内の細菌を実際に培養を行い、無菌になったことを目で確かめて治療を終わるという根管治療のまさに真髄です。
無菌になったことを確実に判断