歯科領域が関わるアレルギーの中で、歯科金属アレルギーが有名ですが、歯周病もアレルギーの原因となることが分かっています。当院では、歯周病治療を行うだけで、皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状が改善することを数多く経験しています。
また、アレルギー治療や様々な症状(電磁波過敏症、原因不明とされる頭痛や肩こりなどの不定愁訴など)への歯科からのアプローチとして、口腔内から歯科金属を除去し、それに代わる材料での修復治療(多くは金属を使わないノンメタル治療)が必要となりますが、その治療が成功し、長期的に良い状態を維持する(歯や修復物が長持ちする)ためにも、歯周病がきちんとコントロールされていることが重要です。
さらに歯周病は、様々な全身疾患(糖尿病、高血圧、動脈硬化、心疾患、脳梗塞、肺炎、自己免疫性疾患、早産など)とも深い関係があることが分かっていますので、健康を考えるすべての方に歯周病の治療・管理を受けて頂きたいと思います。
当院では、より確実な歯周病管理のために、遺伝子検査による歯周病菌検査はすべての患者さんに行うことが理想的だとは考えご提案させて頂いていますが、現在保険適応外となるため、実際には必要でご希望される方にのみ行っております。
歯肉の現状を調べるための歯周組織精密検査と、歯周病菌を調べるための位相差顕微鏡検査は、すべての患者さんに行っています。また、必要に応じて、口臭の原因にもなる歯周病菌の産生するガスを、ガスクロマトグラフィーで測定します。
ガスクロマトグラフィーでは、歯周病菌の量を推測できます。
位相差顕微鏡検査では、細菌の同定はできませんが、ある程度の種類の細菌感染を調べることができます。また、最も調べたいP.g菌を直接調べることはできませんが、T.d菌の感染はある程度分かります。
P.g菌とT.d菌は関連していることが分かっているため、T.d菌の感染度からP.g菌の感染度を推測します。歯周組織精密検査の検査値が悪く、T.d菌の感染があれば、P.g菌を含むその他の極悪細菌4菌種も感染している可能性が高いと判断しています。