証明された病巣感染の危険性
ウェストン・A・プライスの業績
ハーバード大学の予防医学衛生学教授 ミルトン・J・ローズナウはウェストン・A・プライスの4000羽のウサギを使った実験をさらに信憑性を増すために、1000匹を超える犬を使った実験を行い、歯性病巣感染説が正しいことを証明した。
「歯根性病巣などが様々な全身疾患の引き金になっている」ことを証明
#ウェストン・A・プライス(*1)は1914年から#アメリカの著名な医師たち60名(*2)と共同研究をスタートし、「歯根性病巣などが様々な全身疾患の引き金になっている」ことを証明して、1923年にその研究成果を DENTAL IFECTIONS の1巻 Oral and Systemic(歯性感染症、口腔と全身、第1巻)と2巻 Degenerative Diseases(歯性感染症と変性疾患、第2巻)において1,174ページに纏めて発表している。
- #ウェストン・A・プライス(*1)
- 当時、最も尊敬されていた歯科医学研究者の1人で、米国歯科医師会研究部門の会長。
- #アメリカの著名な医師たち(*2)
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ウェストン・A・プライスの研究チームは国内有数の科学者60名で構成。
北米外科学会議長でメイヨー・クリニック(世界で最も優れた医療・研究機関)創設者のチャーチルズ・H・メイヨー医師、ミシガン大学医学部長兼米国医師会会長のビクター・C・ホーガン医師、シカゴ大学医学部長のフランク・ビリング医学博士、ハーバード大学医学部予防医学科・公衆衛生学教授、ミルトン・J・ローズナウ医師 ら、著名な学者が含まれていた。
プライス博士と共同研究を行なった医師たち
根管治療を行われた歯と、がんとの関連性についての最近の報告
- Robert Jones(University of Glasgow)の報告
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300症例の乳がん患者の5年間の追跡調査の結果、以下のことが判明した。
乳がん患者の93%は、根管治療の歯が存在した。残り7%の患者にも口腔内に何らかの病変が存在した。殆どの症例で、がんが存在する乳房と同側に根管治療した歯や病変が認められた。
- Josef Issels(Issels Integrative Immuno-Oncology Center)の報告
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40年間のがんの終末期の患者を調べたところ、97%が根管治療を経験していた。
著書Immunotheraphy in Progressive Metastatic Cancerの中で、がん治療の前に根管治療などの口腔内のがんの原因として疑われる部分の撤去を基本治療として挙げている。
- Thomas rau(Paracelsus Clinic)の報告
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乳がん患者の98%(147名/150名)に1本以上の根管治療した歯が存在していた。
全てのがんはそれらの歯と同側の乳房に存在していた。
ここで注目すべきなのは、エンド病変とがんや心臓疾患との関係性ではなく、根管治療を行った歯牙と、がんに正の相関関係があるという点である。
- Paracelsus Clinic(パラセルサスクリニック・スイス)とは?
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世界的に有名なスイスのパラセルサスクリニックはガンなどの難病や慢性病に対して、歯科金属(アマルガムやパラジウムなど)を除去したり、口腔内の病巣を取り除くことで驚異的な改善率や治癒率を上げています。
このパラセルサスクリニックでは治療のためにEU諸国を始め、アメリカ、中南米など世界各国から患者が来院しています。
パラセルサスクリニックはヨーロッパで最も大きな自然医療の権威であることでその名が知られています。
このクリニックでは症状をおさえこむ対症療法ではなく、根本原因に対してアプローチする治療を行っています。
「完全なナチュラルなものこそ人間の完全な治癒力を引き出すことができ、その人間は大自然の一部である」という視座のもと様々な治療コンセプトを適用しているクリニックです。
歯科を併設して医科と歯科の連携治療を行うことで通常の病院では治らない、原因不明の病気が治るのです。
所長のThomas rau(トーマス・ラウ)医師は「歯の治療なくして、慢性病の治癒はありえない」と言います。
パラセルサスクリニックでの治療のほとんどは根本的な病気の原因となっている毒素の排泄、免疫力の向上に主眼がおかれています。
マーチン・フィッシャーが鳴らした歯科医師への警鐘
ウェストン・A・プライスが歯根尖性病巣など口腔慢性感染症は命さえ奪う病気の引き金になることなどを著した2冊の本
DENTAL IFECTIONS の1巻 Oral and Systemicと2巻 Degenerative Diseasesを
1923年に発行してから17年後の1940年、シンシナティー大学医学部マーチン・フィッシャー教授は DEATH AND DENTISTRY を出版した。
冒頭に「歯科医師は、歯を守ろうとのスローガンで口腔感染症の本質を見失って、患者を死に追いやっている」と書かれてある。
フィッシャーは「歯内療法での根管充填に伴う隠れた副作用や、駆逐されないで生存し続けた細菌が再発を起こし、場合によっては命さえ脅かす疾患を引き起こしてしまうことを充分に認識した歯科医師は殆どいなかった」と記している。
そして、歯科医師が治療した患者の多くに細菌性心内膜炎、慢性虫垂炎、出血性疾患、免疫破綻をもたらしていることを病巣感染として捉えていた。
マーチン・フィッシャー教授の DEATH AND DENTISTRY は難治性の歯根尖病変などの慢性感染症は、細菌性心内膜炎、糸球体腎炎、関節炎、皮膚炎の病巣感染の原病巣となっていることを理解するように歯科医師だけでなく、医師向けに病巣感染を説いたものであった。